<プロローグ>
昭和58年に創設された「中小企業事業承継税制」(承継税制)は、平成20年に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(円滑化法)に拡大発展しました。
すなわち、円滑化法において、中小企業の円滑化のために、事業承継に係る一定の贈与税又は相続税を納税猶予して、適正な事業承継者については、当該納税猶予額を最終的に免除にしようとする施策です。
改正相続税法の主要部分は、平成27年1月から施行され、これに伴い、特別措置法に規定されてる新納税猶予部分についても、同時に施行されました。
本書は、こうしたことを踏まえ、納税猶予手続きの流れ、改正内容を解説しております。
納税猶予の理論と実務のすべてが、点としてではなく、線としての流れとしてつながっていることを理解できる書です。
<本書の特色>
第1章
「相続税・贈与税に係る納税猶予のポイント」とし、
①納税猶予に係る条文を段階的に区分
②それを基として「納税猶予制度循環・継続図を作成
③それを段階毎に説明
④最後に納税猶予の工程を明示
第2章
設例に基づく相続税・贈与税の納税猶予額の相違について、試算という形で表にし、平成27年度改正での「相続税の重課・贈与税の軽課」についても実務の申告書を基とし、相違を表現
第3章
実際の実務事例による「贈与税及び相続税の納税猶予の実務」について、設例を基に実務に伴う記載例を明示
第4章
特殊事項としての中小会社の株式を後継者に集中させる民法特例に係る「除外合意」「固定合意」及び「付随合意」について記述